診療トピックス
診療トピックス 逆流性食道炎①
喉の違和感、詰まる感じは、胃酸が原因でしょうか?
- 喉の違和感、詰まるような症状を感じたことはありますか?
近年、喉の違和感、詰まるような症状で外来を受診される患者さんが増えている印象があります。
どのような原因でそのような症状が起こるのでしょうか?
一番心配な原因としては、喉や食道に癌ができていて食べ物の通りが悪くなっている場合で、内視鏡検査をして食道がんが見つかる場合もあります。
しかし、内視鏡検査をしてみると、実際には狭いところはないのに、逆流性食道炎という胃酸により食道に炎症が起こることにより症状を起こしている場合が多数みられます。
狭くなったりしてないのに、詰まるような症状など胃酸による症状が起きている場合、食生活の改善や胃酸を抑える薬剤を使うことで、症状がよくなることが期待できます。
- 逆流性食道炎とは、どういった病気でしょうか?
逆流性食道炎とは、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流することにより、食道に炎症が起こる病気です。
一般的に多い症状は、胸やけ(胸のあたりの焼けるような感覚)・呑酸(逆流した胃内容物が口腔内や下咽頭まであがってくる感覚)ですが、さまざまな症状が起こる可能性があり、喉の違和感、詰まる感じもその症状の1つです。
実際、当院も胸やけ・呑酸だけでない症状で受診してされている患者さんが増えている印象です。
- 喉の違和感、詰まるような症状がある場合、どうすればよいでしょうか?
大切な点は、
①胃カメラ(内視鏡検査)により、喉や食道に癌など重大な病気がないこと、および逆流性食道炎による炎症を食道にあるか確認する
②胃酸を抑える薬剤により、その症状が改善するかを確認する
胃カメラで、癌など重大な病気がなく、逆流性食道炎と診断され、内服治療により症状がよくなれば、安心できると思います。
喉の違和感、詰まるような症状、胸やけ、呑酸など気になる症状があり、一度も胃カメラを受けられたことがない場合、一度受診の上、胃カメラをうけてみてはいかがでしょうか。
文責 院長 幾世橋佳
内視鏡写真① 正常の食道
内視鏡写真② 逆流性食道炎の食道
内視鏡写真③ 食道癌の食道